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フィリピン
原発は寝ている




SLIDE 0401


 フィリピンは、7千を越える島々から成り立っています。大きく3つの島じまにわけることができます。ルソン島からビサヤ諸島、ミンダナオ島そしてバラワン島の3つです。
 地形的には、無数の火山があり、タール火山のすぐ前がバターン半島です。
 ここにフィリピンでただ一つの原発が立っています。
 フィリピンは雨が多く、熱帯雨林や珊瑚礁の発達がすばらしい大自然を演出しています。
 人口はおよそ7千万人、人種は80種以上にものぼるそうです。
 フィリピンは、アメリカの植民地時代をへて1941年に日本軍に占領されました。「バターン死の行軍」に代表される日本の支配に対し、フィリピン人民の「坑日人民軍・フクバラハッブ」が組織され、徹底した抗戦が行なわれたのでした。
 その後、日本が敗戦したのち、アメリカが政権をあやつりマルコス独裁体制が作り上げられました。
 マルコスは日米政府と癒着しながら、政治経済を維持してきましたが、86年に民衆の力の前に打倒されました。
 しかし、次のアキノ大統領の時代になってもマルコス独裁体制の負の遺産は、精算されることはなかったといえます。
 フィリピンの首都マニラ。このマニラ周辺では1世帯あたり8〜10人が3千世帯も住んでいるといわれます。
 高層ビルのすぐ隣に家が並んでいます。「発展したフィリピン」を象徴する一こまです。
 路上で生活している人も800万人とも1千万人ともいわれます。完全失業率も70%をこえるといわれており、日雇いの労働者はおよそ20%に達しています。
 子供達は学校に行きたくても行けないのが実情です。家の家計を助けるため、働かざるをえません。スラムに住む子供達は、栄養失調になりがちでしんでいく子供もおり、生存権すら保証されていないのです。
 これまでの間、日本政府と企業は、マルコス独裁体制を支援し、フィリピン経済を破綻させてきました。その上に日本の繁栄があったのです。
 こうした観点に気付いた人々によって、フィリピンとの連帯運動は、近年高まってきています。
 私達には、これまでの歪んだ関係を正し新しい友好関係を築いていくことが求められています。


SLIDE 0402

 フィリピンには稼働している原発はありません。
 マルコス時代にバターン原発が建設はされました。
 しかし、火山が多く、地震の不安がつきまとうなどの条件と、アメリカのウェスティング・ハウス社の手抜き工事により安全性に疑問があるとして、非核フィリピン連合を中心とした反対運動が盛り上がりをみせ、アキノ政権下では運転凍結となりました。
 このバターン原発は、マルコスが巨額の賄賂を受け取り建設が進められたのです。
 そのため当初の計画の10倍の建設費がかかっており、このためにフィリピン国民は、多額の利子を払い続けています。
 現在、フィリピン政府は、バターン原発を複合発電所に転換する方針を打ち出しています。
 しかし、電力需要からみて、次の原発計画が浮上する可能性は打ち消すことができません。



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