Asia forum wide logo

Nosmoke logo Exit logo

プロローグ1
日本がアジアを脅かす




SLIDE 0101
 1992年、一隻の船が世界中を怒りと恐怖におとしいれました。
その船の名は、「あかつき丸」。
92年8月に横浜港を出港し、世界でも例のない、1.5トンという大量のプルトニウムを航路さえ明らかにしないまま、フランスから輸送しました。
 輸送に際して、インドネシア、フィリピンなど23ヶ国が領海通過を拒否したのをはじめ、憂慮を表明した国を含めると50ヶ国にものぼる国々が日本の核大国化への懸念を強め、日本の秘密主義へ抗議の声を上げました。
SLIDE 0102
 日本政府によるとプルトニウムの輸送は、今後も30年にわたって続けられようとしています。
SLIDE 0103
 このプルトニウムは、福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」の核燃料として使われるためにはるばるフランスから運ばれたのです。
 この高速増殖炉は、各国が次々と開発を断念し、現在では、日本だけが強引に開発を進めています。そして、計画通りに行くと2010年には、この高速増殖炉を使って長崎型原爆の5000発分にも相当する大量のプルトニウムを保有することになります。もちろん、これらのプルトニウムは、兵器として転用が可能なのです。

SLIDE 0104
 日本は、過去に、アジアの平和を守るためと称して「大東亜共栄圏」、「八紘一宇」の美名のもとにアジア諸国を侵略してきました。
 この写真は、カンボジアに向けて昨年9月に呉港を出発するPKO部隊の自衛艦「とわだ」です。
 日の丸や軍艦マーチに乗せられて出港する姿は、戦前さながらの光景です。
 従軍慰安婦のことや、人々に対する補償のこと、そういった問題について実質的なことをなにひとつ行わないこのような日本の動きは、過去の日本とオーバーラップされてアジア諸国に対する脅威となっています。
SLIDE 0105
 これらの問題の、根源のひとつに原発があります。
 現在、日本には44基の原発があります。この原発からプルトニウムなどの核のゴミが生まれ放射能が日々まき散らされています。
 チェルノブイリ事故以来、全世界で脱原発の方向が示され、日本の各地では、原発に反対する運動がさかんになり、とりわけ新しく原発を建てようとするところでは、反対の声が大きく、新しく原発を作るのは、とても困難になっています。
 こうした状況の中で、政府や電力会社は、「原子力白書」の中で「日本は原子力平和利用の世界の牽引者」と位置付けアジアを最大のターゲットとして原発輸出にその行き残りをかけようとしています。
SLIDE 0106
 すでに、政府間レベルでは、毎年アジア7ヶ国の原発・エネルギー関係の閣僚会議として「アジア地域原子力協力国際会議」を開催しています。
 今年も3月2日から東京で第4回の会議が開催されました。これらの会議では、原発を一般の人々へ宣伝するためのテクニックについて、その経験や情報交換などアジア規模でのネットワーク作りが行われ、いかにして原発を建設する地域の住民をあざむき、原発推進の世論作りを行っていくかを研究しています。
SLIDE 0107
 これに対してアジアの人々の反対運動は広がりを見せています。昨年、韓国で反原発を進めている人々から「核や環境の問題は、一地域、一国家の問題ではなく、地球的な問題であり、アジア規模の反核の民衆レベルでのネットワーク作りの会議を日本でぜひ開催してほしい」との提起がありました。この声に応えてはじまったのが「ノーニュークス・アジア・フォーラム」です。



<戻る>