
第一回 日本
東京 ノーニュークス・アジア会議
討論 各国からの問題提起
司会(コラソン)
どうもありがとうございました。
さて、次にスチュワート・ケンプさんの話を聞くことができるようです。ケンプさんは英国の再処理工場THORP(ソープ)について話してくださいます。
英国の大型再処理工場
THORPをめぐって
スチュワート・ケンプ
英国、非核自治体全国運営委員会
Stewart Kemp
どうもありがとうございます。つい先ほど話してくれと頼まれたもので、あまり準備していませんが、それでもこの会議の場に、最近の進展についての新しい情報を提供できると思います。
日本のための再処理
みなさんは、政府が所有する英国核燃料公社(BNFL)が、英国カンブリア地方のセラフィールドに再処理工場THORPを建設しているのを知っていると思いますが、これは今後10年以上にわたる、約700トンの使用済み核燃料の再処理を目的にしています。使用済み核燃料の相当部分が日本から来ることになっていますが、実際、私の試算ではTHORPで再処理される燃料の40%が日本の使用済み核燃料です。
この工場はすでに建設を終了しており、操業開始を待っている状態です。これが操業されると、毎年約4トンのプルトニウムが10年間生みだされることになります。そしてこのプルトニウムのうちのいくらかは英国に保管されますが、多くの部分は日本に返還されます。それはあかつき丸で返還されたプルトニウムと同じ形態で日本に返されるとはかぎりません。たぶん日本の原発に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)になって戻されるでしょう。
MOX燃料の使用に反対する理由については、いまここで私がつけ加えることは何もないと思います。ただ、MOX燃料はプルトニウムをどうするかという問題の答えにはならない、ということだけはいわせてください。
現在英国やヨーロッパ、いや世界中の原子力産業は、再処理で分離してできるプルトニウムをどうするかという問題に対する処方箋として、MOX燃料を提示しています。また同時に、廃棄された核兵器のプルトニウムをどうするかという問題に対しても、MOX燃料化することを計画しています。しかし実際にMOX燃料を使ったときにどうなるかといえば、単に、将来にわたって管理すべきプルトニウムの量を増やしてしまうだけなのです。
時代遅れの再処理必要論
まず指摘すべき点は、現在、世界中の社会が直面しているプルトニウムの問題には出口がないということです。
THORPの施設はすでに操業開始の決定を待つばかりですが、これは15年前の政策にもとづいたものです。つまり、原子力開発華やかなりしころの遺物なのです。英国政府は、原子力技術の時代がくると思っていました。そしてTHORPをたてれば海外からの使用済み核燃料処理を商売にでき、外貨が稼げると信じていたのです。
先ほどの発言者の話を聞いて私の心に浮かんだのは、いま日本政府が原子力の推進とプルトニウム利用のために使っているいくつかの論法は、セラフィールドの施設建設を決定したときの英国政府の楽天的な議論にとてもよく似ている、ということです。
もちろん、いまや私たちは、再処理が何の問題解決にもならないことを知っています。事実1978年から、つまり建設決定時点からずっと、もう15年にもなりますが、このTHORP建設に反対する議論は高まる一方です。
英国政府も認めた経済性の破綻
プルトニウムは、もはや経済的に魅力のある選択ではありません。15年前に原子力産業界がいっていたのは、ここ10年から20年のあいだにウランの枯渇が心配されるということでした。原子力産業界内部にも、採掘可能なウランは十分あると考える人はいましたが、その意見は無視されてきました。プルトニウム燃料やMOX燃料は、ウラン燃料より5倍か6倍も高価なものになります。プルトニウム燃料の経済性、プルトニウム利用炉開発の経済性は破綻しています。
これらのことは英国政府も、しぶしぶながら現実として受け入れるようになりました。これは何も今日ここで語られているようなプルトニウム社会の危険性などの懸念に対して、彼らが同意したからもたらされたものではありません。しかし英国政府は昨年11月にスコットランドの実証炉への投資をやめる判断をくだしました。そしてまた、今日ここにいる人々の議論や意見に対し彼らが共感して行なったわけではないにせよ、英国政府とヨーロッパ共同体は、将来のプルトニウム高速炉開発のために行なう研究炉の作業を中止する決定をくだしたのです。つまり、プルトニウムの経済性を追求しようとしているのは、もはや日本だけといってよいのです。
深刻な環境汚染
プルトニウム燃料と高速炉の経済性を別にしても、国際的な安全保障を確立するうえでの核武装につながる懸念は明確に存在します。英国政府はノルウェー政府、アイスランド政府、そしてアイルランド政府から、THORPの操業開始による影響についての陳情抗議を受けとっています。しかし、安全保障に関しての懸念は、そのうちの一部にすぎません。彼らの陳情の多くの部分が、再処理の環境への影響についてです。
核燃料の再処理では、海への廃液の排出、放射性物質の大気への排出など、たとえ事故が起こらなくても放射能汚染が必然的にともないます。これらは施設の日常的な操業の過程で発生し、英国でも最近、論争の的になっています。なぜなら政府が認める放射線防護の専門家が、THORPの運転は施設に隣接する地域の人々に対して、許容限度に達する年間被曝をもたらす可能性があると主張したからです。
これは六ヶ所村の再処理工場とも無関係ではありえません。放射能汚染の問題は共通だからです。六ヶ所村の再処理工場の近くに住む人々は、カンブリア地方セラフィールド近くに住む人々が経験したのと同じように、環境汚染の可能性に直面しなくてはならないでしょう。そして、これは施設周辺の人々だけにかぎられたことではありません。海洋の汚染や、多くの人々が拠り所にしている資源である食糧や、農地、漁場などを汚染することになります。人々は放射性廃棄物による海の汚染で健康を蝕まれながら、生活していかなくてはならないのです。
THORPをとめるために
不幸なことにこれらの重要な議論も、英国政府にとっては馬耳東風です。しかし、幸運なことに法律を重んじる英国政府に対しては、法律や法律に関する意見表明が影響力を持ちます。そこでいま英国各地の非核自治体は、英国のグリーンピースと協力して活動しています。それは、政府がTHORPの操業による環境影響調査の報告義務を怠っているということで、私たちは政府を法的に訴えるために必要な助言を与える使節団を用意しています。
この活動は非常に重要です。というのはTHORPを運転する英国核燃料公社は、去年の11月からいつでも使用済み核燃料の再処理を始められるよう準備を整えているからです。THORPは操業をしていなくても毎週200万ポンドのコストがかかります。操業開始の遅れは少なくとももう2、3カ月、早くても9月か10月の時期になるでしょう。それでも彼らはそれに耐えていかなければならないのです。政府が操業開始時期をこのように発表したのには理由があります。施設の操業がもたらすすべての影響、地域社会あるいはもっと広く国際的な影響に関して核燃料公社は調査報告書を用意しなければならないのに、その法的義務を怠っているのではないかという懸念が高まったためです。そして実際にそうなのです。
その結果、彼らは公聴会まで行なうことになりました。これは日本の人々やアジアの人々にも開かれているので、英国政府に意見を述べるいい機会になります。まだ時間があります。核燃料の再処理に反対する主張を述べる機会が与えられています。世界規模のプルトニウム輸送、プルトニウム備蓄、プルトニウム利用、そしてそれにともなうあらゆる危険のなかで生きていく未来の世代にとって、プルトニウム社会がどんな意味をもたらすか懸念を表明するチャンスなのです。このことを強調して終りたいと思います。
司会(コラソン)
次に韓国の金承国(キム・スングク)さんが発言します。
アジア支配の
手段としての
プルトニウム大国化
金 承国
韓国、平和と統一のための連帯会議
Kim Seung Kuk
こんばんは。私は韓国から来ました。平和と統一のための連帯会議というところで仕事をしています。
日本の核武装の疑惑
日本は必要以上のプルトニウムを導入する計画をたてて、周辺諸国を緊張させています。第二次世界大戦の戦犯国である日本は、今度は核によって世界を制覇する腹づもりなのではないでしょうか。
第二次世界大戦時に被害を被った韓国民などに対する被害補償に不誠実な日本。また戦争に対して謝罪を回避しながら政治的な言辞ばかりを弄する日本。軍国主義の象徴である皇族の結婚式で興奮する日本。自衛隊をいまだに皇軍とみなす国民の潜在意識に便乗して、カンボジアに平和維持軍を派兵することで、第2の大東亜共栄圏の構築をめざす日本。そしてまた、朝鮮半島有事に平和維持という名分で自衛隊を派兵する日を待ち望んでいる日本。このように日毎にキナ臭さを強めている日本が、とうとうプルトニウムを過剰導入する動きを見せることで、日本が核武装する側に回って行くのではないかという疑惑を禁じえません。
しかし、日本が核武装する選択権を持っているのか、あるいはそうでないのかという論議に劣らず重要なことは、プルトニウムの過剰導入がアジア地域の核のドミノ現象の起爆剤の役割を果たすという事実です。
アジアの王者をねらう日本
世界は単なる核時代からプルトニウム時代へ移行しています。プルトニウムが人類の喉元を絞めつけており、ゴミのように累積しているプルトニウムをどのように処理するのかが地球村の難題として登場しています。ソ連邦の解体、冷戦の終結以後、アメリカと旧ソ連など核超大国の核弾頭と、原子力発電の過程で生まれるプルトニウムをどの国が独占するのかによって、世界政治の構図が変化する可能性は高いのです。日本の支配勢力には、このような混沌状態のプルトニウム時代のなかで、有利な地点を確保しようという意図があるようです。
日本はアメリカの間接的な助けを受けながら、プルトニウムを過剰に蓄積しています。一方で微量なプルトニウムの保有を問題にして北朝鮮の安楽死を狙い、他方で日本のプルトニウムの過剰保有を助けているというアメリカの魂胆を見破るならば、アジア太平洋を支配しようとするアメリカと日本が合作した設計図を簡単に読みとることができます。日本の支配勢力は21世紀のアジア地域の覇権を掌握するための手段として、プルトニウムという怪物を選択したようです。アジア地域の核サイクルを完全に掌握することで、核大国化しようとしているわけです。原発と核兵器生産の中間的役割をするプルトニウムを大規模に保有し、いわばアジアの王者になるという妄想を抱いているのかも知れません。
プルトニウム大国化はアジアの脅威
日本の核能力の強化と政界再編の動きとのあいだに、何らかの関連があるようです。まず21世紀のアジア太平洋地域の再編のための布石として、社会党までひきこんだ単一の巨大与党を築こうとする野望の政治、軍事的手段としての、プルトニウムの選択があるようです。なぜならプルトニウムは、日本がアジア太平洋地域で影響力を高めるための政治、経済、軍事的な武器です。そのプルトニウムを過剰に導入することで生まれた力が、経済面にあらわれるか、政治・軍事面にあらわれるかはまだ即断できませんが、日本が核武装の選択権を保有する日が近づくという判断だけで、アジア地域の国家を戦慄のるつぼに陥れることになります。
1945年8月に核の洗礼を受けた日本が、半世紀を過ぎたのちに、第二次世界大戦で日本によって苦痛を受けてきたアジアの民衆を相手にして核の洗礼を準備しているとするならば、日本の支配層が懺悔の涙を流すよう準備しなければなりません。万一にも、過剰導入したプルトニウムを軍事的な目的で使用した核武装の選択権を持つようになれば、日本の政治的・軍事的な地位は向上するかも知れませんが、こうした事態はただちにアジアの悲劇になります。
また、プルトニウムを経済的な武器として選択する可能性を持つ日本は、核サイクルをアジア太平洋全域に拡大して核産業を輸出する準備をしています。アジア太平洋地域の支配権を割譲された日本の原子力複合体が、アメリカの原子力産業界をモデルとして、核を通じた支配を夢見ないはずがないでしょう。
同時に解決すべき日本と北朝鮮の核
北朝鮮の核問題を大きく浮上させ、日本の核問題はできるだけ伏せておこうとするアメリカの対外政策に、疑惑の眼差しが向けられています。それは日本が過剰導入したプルトニウムを武器にして、アジア太平洋地域への影響力を拡大しようとすれば、この地域には核のドミノ現象が起こらざるをえないからです。日本が核武装の選択権を持つ方にまわるならば、日本と中国の緊張は高まり、両国の緩衝地帯の役割を果たしている朝鮮半島の非核化の動きまでが中断され、南北がともに核武装に向けた動きを早めるかもしれません。ですから、北朝鮮の核問題と日本の核問題は同時に、複合的に解決しなければなりません。そうでなければ、日本は北朝鮮の核問題をとりあげてプルトニウム過剰保有の正当性を確保しようとするからです。
たとえば「北朝鮮が核武装の側にまわろうとしているのだから、日本も核物質を保有するしかない」という論理を日本政府が新たに展開するならば、韓国政府も同じ論理にしたがって、核物質の軍事利用へと接近するでしょう。南北朝鮮のあいだで採択された非核化宣言を白紙化しようという要求が生まれるかもしれません。そうなれば、いままで紆余曲折のなかで続けられてきた朝鮮半島の統一の努力までが崩れてしまうことになります。
もし北朝鮮の核問題がアジア太平洋地域での平和定着の鍵ならば、北朝鮮よりも1万3000倍も多いプルトニウムを保有している日本の核問題を解決することは、世界に平和を定着させるための鍵といえるでしょう。北朝鮮も日本もともに、核兵器の製造に使われる核物質を持っているならば、それはすぐに回収しなければなりません。
そのためには、日本の核問題のことを棚上げし、北朝鮮の核問題だけを必要以上に重大視する思考方式の根本に、日本のプルトニウム過剰保有について免罪符を得ようとする潜在意識があるなら、そこから根絶していかなければなりません。
東北アジア非核地帯化のために
日本の対外政策が中国の軍備増強を冷却させていく方向、すなわちプルトニウム導入を抑制する方向に進まずに、その反対の方向に進むならば、両国間に予想しえない水準の葛藤が生まれる可能性もあります。このまま日本がプルトニウム大国化すれば中国を刺激することになり、中国の軍備増強を誘発することで、日本と中国の覇権競争が再発するということです。最近、中国はその経済規模に見合う軍事力の増強を急いでいますが、日本がプルトニウムを常識はずれに大量に保有するならば、中国の核軍備拡張に火をつけることになります。つまりその場合、まず朝鮮半島の統一は水泡に帰してしまい、朝鮮半島を中心に再び戦争の暗雲がたれこめる恐れを捨て去るわけにはいきません。
日本のプルトニウム過剰導入がもたらすアジア地域の核のドミノ現象を予防するため、アジア地域の民衆は手をとりあい、日本政府がプルトニウム過剰導入政策を廃棄するよう圧力を加えなければなりません。
また同時に中国も核実験を中断して、東北アジア非核地帯化の隊列に参加するべきでしょう。南北朝鮮、日本、それに中国が平和共存できる道は、北朝鮮と日本の核問題を同時に解決して、中国、ロシア、アメリカを促しながら東北アジア非核地帯化を実現することです。
アジア民衆の連帯で東北アジアの非核地帯化を実現して、核のない朝鮮半島で生きようとするアジアの民衆の念願を実現しようではありませんか。ありがとうございました。
司会(コラソン)
では次にインドのパドマナバンさんが、日本のプルトニウム利用政策を批判します。どうぞ。
平和利用を唱えても
すでに潜在的核兵器生産国
パドマナバン・V・T
インド
私は日本のプルトニウム政策を厳しく糾弾するという立場にはありません。それよりも、日本以外の国で行なわれているプルトニウムの分離について、つまり私の国インドでどうなっているのかをみなさんにお伝えしたい。開発途上国における実例として、みなさんのお役にたてればと思います。
インドの経験からしても、原子力技術を持たない発展途上国では、まず「原子力ありき」です。必要性から始まるのではありません。フィリピンのマルコス大統領でいえば、原子力推進のおもな理由は、ウェスティングハウス社からの賄賂でした。そしてもうひとつの隠れた理由は核兵器開発であります。
出版された報告書あるいは非公開の情報によると、インドはすでに単独で原発建設が可能な技術を持つにいたっており、8基の原発が稼働中です。しかし本当に電力を必要とする人々は遠く離れた地域におり、その一方で何ら恩恵を受けない現地の人々が多くいるわけです。そして、長期間にわたる開発は生態系を脅かしています。原発建設のための技術、ウラン採掘から核燃料製造までの各技術を獲得して得るものは何なのでしょうか。そのようなことを考えるとき、原発推進の真の理由は核兵器開発であると結論せざるをえません。
1950年にインドが原子炉建設の決定をくだしたとき、首相と原子力エネルギー委員会議長のあいだには核兵器開発の選択肢を放棄すべきではないという暗黙の合意がありました。その結果が午前中の私の報告で述べたこと、つまりカナダ製のサイラス原子炉から十分な量のプルトニウムを含んだ使用済み燃料が得られるやいなや、再処理が行なわれ、トロンベイの研究所でプルトニウムが分離され、1974年の核実験となるわけです。
現在のインドには年間25キロの兵器級プルトニウムを再処理する能力があり、ほかの国の使用済み核燃料の処理の引き受けを申しでるほどになっています。
そしてインドと同様のことがパキスタンでも始まりました。彼らはインドとは別のルートで技術を取得し、ウランとプルトニウムを燃料とする核爆弾を開発しました。
この短い時間のなかで私がいいたいのは、原子力利用を推進している国は、たとえ現在は平和利用を唱えていようとも、潜在的には核兵器生産国であることに変わりがないということです。そのことはすでに、20年前のインドがはっきりと示しています。しかし核実験が行なわれる前の段階でその兆候を見てとるのは難しいのです。なぜなら、10年から15年かけて工場を建設し、さらに5年間かけて原爆材料となるだけの量の使用済み核燃料を蓄える、その過程がそっくり平和利用の名のもとに進められるためです。
日本政府の真の意図がどこにあるのかを知るには、原子力導入を決めた50年代から60年代にかけての機密文書を捜しあてるしかないでしょう。どのような核開発のレールがひかれたのかということです。どこの国の政府であれ、国防の基本戦略を完全にオープンな議論のなかで決めていくなんてことはありません。そして「ある日突然」というわけです。
とりあえずこれくらいにしておきます。どうもありがとう。
日本のプルトニウム政策を
口実にする台湾政府
呉明季
ウ・ミンチ、台湾環境保護連盟
Wu Ming Chi
私はここで台湾を代表して、日本のプルトニウム政策に対する考えを述べさせていただきます。まず、私は日本のプルトニウム政策に大反対です。というのは、日本のプルトニウム政策の拡大が、台湾の政府にとって現在の原発増設計画を進めていくたいへんよい口実となっているためです。
現在、台湾は核工業の国になっています。それは過去数年来、専門家を日本に派遣して日本の原発を視察し、技術の吸収に努めてきた結果です。もちろん核工業化にはいろんな技術を使っており、台湾の科学技術あるいは原発に対する環境は、日本と異なったところもありますが、核に関連する技術がどういうものであるのか、私たちにもようやくわかってきました。それはプルトニウムの再利用を進めることが、まさに核廃絶に向かうのか、核拡散へ向かうのかの分かれ目であるということです。
実はいま台湾政府は、プルトニウム利用政策に関する対外的な日本の宣伝を利用して、「台湾も日本に学べ」といい始めています。日本をモデルにすることが、核関連事業を大胆に行なう口実となっているのです。これは直接に台湾に住む人々に脅威を与えていますが、それだけでなくプルトニウムの脅威はいち地域の問題には収まらず、全世界の人々が断固として阻止しなければならない問題です。ですから私たちは、常に日本のプルトニウム政策を監視し、そのたくらみについて反対するよう、世界の人々に呼びかけるつもりです。どうもありがとうございました。
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