Asia forum wide logo

第一回 日本
大阪 インドネシアからの報告

日本のため、
アジアのため、
世界のために共闘を


ナナ・スハルタナ(インドネシア)


 みなさん、こんにちは。私は日本に着いてから、各地の人々と交流をしてきました。大阪のみなさんとは、関西電力に対して原発反対のポスターを持って、キャンペーンもしました。
 ある原発を訪問したんですが、そこでは5分毎といってもいいぐらいに、変な音が聞こえるんですね。なにかが原発内で処理されている音のようなんですが、非常に不気味に感じ、汚染もひどいのではないかと感じました。
 また、珠洲ではたくさんの人が反対運動にかかわっていますが、自治体が一生懸命原発を推進しているので、地域の人々に原発に対しての意見を聞くのは、非常に難しい状況にあるようでした。
 私たちは珠洲市長と羽咋町長に会う機会があり、そこでいかに原発が危険であるかということを説明しましたけれども、途中でとめられてしまいました。残念ながら、私たちの訴えを聞く耳は持っていないということのようです。

進出企業のための原発輸出
 私たちの国も日本も、島からなりたっています。非常に小さな島でできている日本に本当にたくさんの原発があるということで驚きました。そして、日本の企業がインドネシアに原発を輸出しようとしていることに対しても、怒りと驚きを隠せません。
 インドネシアにはたくさんの日本企業が進出しています。企業の80%以上は、日本企業の資本がからんでいます。そして彼らは、もっともっと電力・エネルギーを必要とするようになってきています。インドネシア政府が、日本企業のエネルギー需要増大に呼応した形でインドネシア初の原発をつくろうとしていること、それも日本企業と一体となって考えていることを、非常に残念に思います。
 現在、インドネシア政府は私たちの住むジェパラのウジュンワトゥという村に、原発を建設しようと考えています。この情報を聞いたときにいちばん恐れたのは、スリーマイル島やチェルノブイリなどの原発事故が世界的な大ニュースになったように、原発が大きな危険性を持っているということです。
 原発をたてるには用地が必要ですから、政府はいま用地買収をしています。それは、わずかな、本当にわずかな補償金で人々をそこからたちのかせることを意味しています。それだけではなく、ブローカーなどを使って、人々を強制的にでもたちのかせようとしているのです。自治体や政府に依頼された軍隊が、この地域で暗躍しています。
 私たちは、ほかにもエネルギー源をたくさん持っています。ですから、私たちには原発などまったく必要のないものなのです。

経済協力の名で侵略する日本企業
 今日この大阪の集会に集まられたみなさんに訴えます。
 インドネシアで計画されている原発というのは、私たちの地域、そこに住んでいる人々が潤うものではありません。あくまでも、日本企業の活動のためにつくられるのです。
 みなさん、こういったことを計画している私たちの政府にも、ぜひ原発導入反対を表明してください。それと同時に、関西電力の子会社ニュージェックが、この原発建設のための事前調査をしています。関西電力にも、ぜひ反対を表明してください。それから、これは三菱重工がプラント建設を予定しています。ポスターなどを今日持ってきましたので、みなさん、それを利用してぜひ私たちの反対運動に参加・連帯してください。
 もうひとつ強調したいことがあります。日本はインフラ整備も含めて、インドネシアの工業化につけこんで資本進出してきています。これは、新しい形の日本帝国主義の進出だと思います。私たちは、第二次大戦中、日本帝国主義によって占領下に置かれました。そしていま、経済発展という名のもとでの侵略行為を、インドネシア民衆は日本から受けています。
 しかし、問題は私たちだけのものではありません。日本にもたくさんの原発があり、様々な計画があります。ですから、日本のために、私たちインドネシアのために、そしてアジア、世界のために、ぜひ一緒に私たちは闘っていきましょう。

  
<戻る> <先頭へ>