Asia forum wide logo

第一回 日本
大阪 主催者あいさつ

人と人が
触れ合うことで始まる
アジアのネットワーク


佐野 雅哉(関西実行委員会)


 ノーニュークス・アジアフォーラムにはアジア7ヵ国から30人もの方々が日本に来られ、26、27日の東京での国際会議を皮切りに、全国7コースに分かれて日本中を歩いて反原発反核運動に接してこられました。
 このノーニュークス・アジアフォーラムのはじまりは、昨年5月に環境問題のNGO会議が開かれまして、アジアからも多数の方が参加されました。そのなかで、今日ここにも来ておられる韓国の金源植さんから、ぜひアジアでの反核のネットワークづくりをして欲しいという話がありました。日本にはいろんな状況、PKOの問題なり、プルトニウム大国化の問題なり、この間のアジアでの侵略の問題があるじゃないか、日本の人たちがそういう事をアジアの人と提起できれば、アジアの人々にとっても少しは有益なんじゃないかと。それを受けた形でノーニュークス・アジアフォーラムを進めてきました。
 今日のスライドやパンフでも、海外の方からの報告があると思いますが、アジア地域における政府間の国際ネットワークづくりはすでに進められており、韓国や台湾から原発現地の人々も日本を訪れる状況で、むこうの動きは早急に確立されようとしています。そういうなかでわれわれ民衆の立場に立つ人間が、やっぱりネットワークづくりをしていかないと大変なことが起こってしまう。そういう危機感も含めて、今回のフォーラムは開催されました。

プルトニウム大国化の意味
 東京での会議の中身について私の方から多くはもうしませんけれども、日本のこれまでの姿勢についてアジアの人々から非常に鋭い視点で意見がでてきました。
 私の印象に残った意見のひとつは、今日来ていただいた朴賢緒さんがおっしゃったことです。「日本のプルトニウムの問題については、日本国内では軍事的目的よりも経済的にみてこれには反対なんだ。そういうふうな感じで運動を展開していますが、やっぱり海外からみればそれはPKOの問題なり、自衛隊の動きや経済大国の問題につながっている。たとえ1%でもプルトニウムの軍事的利用の可能性があったら私たちはこういわざるをえない。『私たちを被害妄想といってもらっても結構だ』と。しかし過去に、踏みにじられた人間としていわせてもらうなら、たった1%でもその可能性があったらやっぱり核武装の問題に触れざるをえない、それを無視して通れない」という意見でした。
 手前味噌の宣伝ですけれども、関西実行委員会ではプルトニウム問題を単に原発問題にとどめていません。アジアに原発を広めていく日本の姿勢をみるとき、そこにはPKO問題や、当然プルトニウム大国化の問題が出てきます。そして従軍慰安婦問題をみたらすぐに理解できるんですが、過去の侵略に対して日本政府が全然反省をしていない。われわれ民衆もそれに気づかずに生活しているのです。
 そういうなかで、たとえばマレーシアの熱帯雨林の問題も、これらはすべて日本の問題なんだと。そういうことを含め、アジアの人権問題などをからめたうえでフォーラムの準備をやってきました。そして5月にプレ企画で「アジアくいだおれ祭」を、アジアの人権と原発と南北問題を考えようということで開催しました。

フォーラムはいま始まる
 この会議を開くにあたって、いろんなボランティアやスタッフの方が参加してくれてます。以前から反核運動を担っていた人だけでなく、アジアの人権問題や、マレーシアのARE問題なりに関わっている方々が、積極的に参加してくださいました。本当にありがとうございます。
 私はDコースを回らしていただいて、国際連帯と一言でいっても、本当に難かしい問題があると思いました。そこには日本の状況もありますし、各国の状況もあり、それぞれがばらばらです。そんななかでも、人と人が触れ合うことによってネットワークづくりが始まっていくんちゃうかなぁというふうに思っています。インドネシアの方と韓国の方と一緒に参加したんですが、言葉の壁を超えて本当の友情を分かちあえたと私自身は思っております。
 いま日本の現状を見て、アジアから注目されているんだということを踏まえて、原発の問題だけじゃなくて、全般の問題をとおして反核・反原発運動を広げていきたいと考えています。この10日間にわたるフォーラムも今日でひとまず終わるわけですが、本当は終わりじゃなくて、これからが始まりだと思います。みなさん、ともに頑張っていきましょう。

  
<戻る> <先頭へ>