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「日本の原発輸出を考える」
3.1大阪シンポジウム


<台湾からの発言>

台湾少数民族のために

高正治(医師・台東県)

  私は高正治(コウツェンチー)と申します。実は私の父親が日本の科学発展の速さを見て、日本が非常に素晴らしいと言うことで正治(マサジ)という日本名をつけてしまったのです。

  私は医師として苦難の少数民族のために働きたいという思いから、かつて一年ほど蘭ゆ島で医師をしていたことがあります。蘭ゆ島で強く感じたのは、少数民族が放射性廃棄物のことを何も知らされずにいるということでした。彼らは廃棄物のことを「クスリ」という日本語で表現しています。
  さまざまな国で行われていることですが、政府は往々にして、先住少数民族に対して困ったものを押しつけるものです。そして往々にして少数民族は平和を愛し、他者との争いを嫌う。政府はそういう性格を利用していると思います。私は94年に初めて国会議員になりまして、その時「少数民族の権益・名前を保障する」という条項を憲法の中に盛り込みました。しかし先住民族の困難な状況には何の変化もありません。164名の議員の中で少数民族はわずか7名でした。台湾には9つの少数民族があります。そこから7人というわけですから、非常にバラバラで団結しにくい状態です。こういった状況の中で廃棄物が最も力の弱い少数民族のもとに置かれるという状態を許してしまったことを、私自身非常に遺憾に思います。
台電は、少数民族を日本の六ヶ所村に連れていって、そこがどれだけ発展しているか、何の事故も問題もないと言い含め、酒を飲ましたり観光をさせたりしています。
  今回は日本の反原発の方々とお会いできて非常に喜んでいます。特に佐藤さんから六ヶ所村の貴重な映像を見せていただいて非常に感謝しています。これからも、できることなら皆さんにも台湾に来ていただいて、私たちの闘いに協力していただきたいと思います。そして資料なども提供していただけるようお願いしたいと思います。

 


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