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第3回
ノーニュークス・アジア・フォーラム
(台湾)
共同声明



1995.9.6

 わたしたち原発、核兵器、核廃棄物投棄、及び核燃料採掘に対して闘って来たアジアの民衆が、ここに5日間の国際会議に集い、深い信頼と連帯を確信した。わたしたちは経験を交流し、討論を重ねて、次の結論に達した。

  1.  チェルノブイリ事故のあと、ほとんどの国々は原子力から撤退している。日本、台湾、韓国そしてインドで深刻な原発事故が起きており、スリーマイルやチェルノブイリのような規模の破滅的事故の潜在性が未来の世代を脅かしている。
     しかしながら、原子力産業はアジアに原発を輸出することで生き残ろうとしている。わたしたちはアジアの国々の原子力開発計画、とりわけ日本とインドに強く反対し、そのような政策を放棄するように要求する。わたしたちはまた、いかなる国の原子力産業によるアジアへの原発輸出にも反対する。とりわけ中国、インドネシア、朝鮮民主主義人民共和国、台湾そしてタイへの原発輸出に反対する。
     わたしたちは台湾の放射能汚染の状況に大きな衝撃を受け、そしてこのようなおそるべき事故や汚染が専制的で腐敗した体制のなかで起きていることを知った。わたしたちはアジアの独裁的で腐敗した政府によって所有されている原発の危険な運転について憂慮する。わたしたちはとりわけ台湾政府が第四原発建設計画を中止するよう要求する。

  2.  わたしたちは、核廃棄物投棄にたいするアジアのすべての人々との闘い、とりわけ韓国のクロプ島とトクチョク島住民、台湾の蘭ゆ島住民、そして青森県六ヶ所村の住民を支持する。
     わたしたちは、未来の世代が放射性汚染の危険を高める技術から解放されるように、各国政府が原発に頼らないエネルギー政策を採用することを要求する。

  3.  わたしたちは日本のプルトニウム利用推進政策を憂慮する。なぜなら、それは世界の流れに反しており、核拡散を進め、そして現存するアジア太平洋の緊張を高めるからである。それは、アジア太平洋の人々にとって、世界全体にとってと同様に大きな脅威である。
     わたしたちは日本政府が六ヶ所村再処理工場の建設を中止し、高速増殖炉もんじゅの運転を中止し、プルトニウム計画を放棄するよう要求する。それによって日本は、アジアの人々に日本が核兵器開発をしていないということを証明することになる。

  4.  わたしたちは今朝の南太平洋におけるフランス政府の核実験再開を非難し、そしてフランス政府に対して、これ以上の核実験を行わないこと、そしてポリネシア人民の不可侵の自決権を尊重するよう要求する。
     わたしたちはまたロプ・ノールにおける中国の核実験、およびあらゆる国による核実験に強く反対する。わたしたちは中国政府に対して、核実験を中止し、核開発政策を再考するよう要求する。
     わたしたちは国際社会に対し、全面的核実験禁止条約を直ちに締結させるための運動を呼びかける。

  5.  わたしたちは、日本の芦浜住民、台湾の塩寮住民、そしてフィリピンのバターンの住民の原発建設反対の闘いを粘り強く続けていることに感銘を受けた。
     このノーニュークス・アジア・フォーラムにおいて、わたしたちは、原子力発電、核兵器開発、核廃棄物投棄、核物質採掘を阻止するため、そのほかアジア太平洋におけるそのほかの核関連の活動において、草の根の市民の連帯をさらに強め、できるだけ早くすべての原子力発電を消滅させるために協力することを決定する。

 わたしたちは、わたしたち自身のためだけでなく、とりわけわたしたちの子どもたちのために平和の種を蒔き続けようと思う。わたしたちは原子力の暴力から大地と海を守るために自らを委ねる。なぜならわたしたちは聖なる大地と海の恩恵によって生きており、それらは未来の世代へのもっとも貴重な遺産だからである。
 わたしたちは、いまこそ非核アジア太平洋を熱望する。
(正文 英語)

1995年9月6日
台湾・台北
第3回ノーニュークス・アジア・フォーラム参加者一同

各国代表サイン

羅 偉仁(香港)
アヌン・カリヤディ(インドネシア)
南 相みん(韓国)
コラソン・ファブロス(フィリピン)
施 信民(台湾)
V.T.パドマナバン(インド)
佐藤大介(日本)
黄 金安(マレーシア)
ミゲル・バナー(タヒチ)
ピポブ(タイ)


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