それから6年の間、トビーはレンジャー鉱山が平和な土地をずたずたに切り裂いていくのを見つめつづけました。そして飲酒量が目に見えて増加し、健康状態は悪化していきました。 |
イボンヌ: 病院に見舞いに行くと、父は床の上にマットレスを引いて寝ていたの。ベッドが嫌いだったのよ。 次の日には、 苦しみが終わったわ。 父はもういなくなったの。 |
ERA社総支配人 フィリップ・シャービントン: 私たちは、過去のことは忘れて、より良い未来を実現する努力をしなくてはいけないんです。おわかりでしょうか? 問題の核心はそこなんですよ。これは、先住民族との和解のためなんです。利害の対立する両者がどう歩み寄るか、お互いの問題を話し合って、いかに前に進むかなんです。私たちが提案しているのは、正にそれなんですよ。 あらゆる懸念に折り合いをつけていくため、彼らも私たちと一緒に一歩を踏み出してくれなくてはなりません。そうすれば、開発による経済的な恩恵を、アボリジニーの生活向上のために前向きに使うことだってできるんですからね。 |
イボンヌ: お金がどうしたって? お金は私たちを殺してしまうものなのよ。 お金を見たら、みんな大喜び。でも私は違う。白人は金を持ってどこかへ行ってほしい。どうせ、後でアボリジニーから巻上げるだけなんだから。 |
イボンヌ: 私たちにはお金なんか必要ない。食べ物が要るときは、ただ行って木や地面からもぎとればいい。ヤムイモ、ブラックベリー、グリーンプラム、すいれん、魚、亀、、、、そんなすべてがなくなってしまうなんて。 お金と引き換えに? そのすべてを売り渡す? |
イボンヌ: 私は、ミラルの文化を信じてるのよ。ここはアボリジニーの土地で、アボリジニーの生き方がちゃんとあるの。 白人は耳をすまして聞きなさい。信じなさい。いったい何回言えば分かるのかしらね? |