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第5回ノーニュークス・アジアフォーラム
共同声明


核産業の植民地支配に反対しよう!

連帯を強め、非核アジアのための闘いを前進させよう!

 

1.アジアの人々に及ぼす核産業の否定的影響

 エネルギー源としての原発の「相対的安全性と必要性」に関するマスコミの大掛かりな宣伝にもかかわらず、アジアの人々はもううんざりしている。しかしアジア各国政府は、現存の108基の原発に加えて、長期的な基盤で、少なくともあと47基の原子炉の建設を目的とする原子力計画を加速させようとしている。

  スリーマイル、チェルノブイリなどの大規模な原発事故は、決して忘れられることはないだろう。それゆえに、アメリカ、オランダ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、日本やその他のヨーロッパ諸国に見られるように、問題の多い原発エネルギーから段階的な撤退の努力がなされていることは明確である。

 しかしそのこととは対照的に、原子力の亡霊はその醜い頭をふりかざし、アジアのエネルギー市場において人々の生命を脅かそうとしている。ますます多くの多国籍企業が、民主主義が存在せず政府が腐敗しているアジア各国に、核の技術を導入させようとしている。

 原子炉の販売が減少しているために、ヨーロッパ、日本、そしてアメリカなどの原子力輸出国は、その市場をアジアに求め続けている。安全な原子炉などというものは存在しない。したがってまた、政府が原発の輸入を法的に可能にしている国々には特に注意が払われなければならない。

 原発からの放射能と放射性廃棄物による悪影響は、農業、人と動物の健康を悪化させ大気と水を汚染し、そして新興のアジア経済の発展形態を歪めてしまった。

 今こそアジアの人々は、これまでにもまして原発の輸入を阻止する努力を傾注し、各国政府に対して持続可能なエネルギー計画を採用するよう方向転換を迫らなければならない。

 アジアの人々の代表たちはすでに、民事・軍事両面における原子力に対する闘いの情報と経験を交換するために連帯し、結束を固めている。

アジアの人々は、自国の組織的な原子力政策に対して絶えず身を挺して闘って来た。われわれは、さらなる前進を求めて次のことに向かってたゆむことなく努力をするであろう。

 

核廃棄物と核産業の輸出を止めよう!
アジアの国々への原子力の輸入を阻止しよう!
原子力の本質的危険性を明らかにしよう!
反核の闘いをさらに高め、さらに偉大なる勝利に向かって前進させよう!

1997年9月4日
フィリピン、ケソン・シティ
第5回ノーニュークス・アジアフォーラム参加者一同

 

 


台湾から北朝鮮への
核廃棄物輸送に
反対する声明

  われわれ1997年ノーニュークス・アジアフォーラムの参加者は、台湾電力による台湾から北朝鮮への核廃棄物輸送計画に強く反対する。

  国営電力会社である台湾電力はドラム缶6万〜20万本の低レベル核廃棄物を北朝鮮で最終処分しようとしており、現在その輸送申請が原子力委員会(AEC)に対してなされている。
  計画中の廃棄物輸送は、アジア民衆の健康と安全にとって最大の環境的脅威となるものである。それは、原子力の利用において廃棄物問題を解決し得ないという、核産業の致命的な無能さを端的に表している。
それゆえ、この核廃棄物輸送問題は台湾、北朝鮮両国のみならず、国際社会においても市民、環境団体のあいだで世界的な懸念を呼び起こしているのである。

  われわれは、この台湾―北朝鮮の輸送も、また国境を越えて行われるあらゆる形態の核廃棄物輸送をも非難する。われわれは、アジア、そして世界中の市民に対して、核産業のこの無責任な行為に対してともに抗議するよう呼びかける。
  われわれは、台湾―北朝鮮核廃棄物輸送問題に対してまきおこっている国内あるいは国際行動を一貫して支持する。

1997年9月4日
フィリピン、ケソン・シティ
第5回ノーニュークス・アジアフォーラム参加者一同

 


核産業のトルコ原発建設
への応札に抗議する声明

 

  9月に実施される予定のトルコ初のアックユ原子力発電所建設の国際入札に、日欧米の核産業が応札することに抗議し、応札の中止を強く求める。

  未来のないエネルギーであることがはっきりした危険な原発を、日欧米で作れなくなったからといって、原発企業の生き残りと金もうけのために輸出する事は許されない。

  トルコの市民の多くが、危険で未来のない原発建設に強く反対している。このトルコの市民の声を無視して原発輸出を強行することは許されない。

トルコ政府のいう、エネルギー需要の増大に対応するとした原発建設の論理は、トルコがエネルギー効率が極めて悪い国の一つであるという現状を無視して、非効率と浪費を続けることを前提にしたものであり、原発を作るための論理に他ならない。省エネルギーと再生可能エネルギーの利用によって、エネルギー需要に対応すべきである。

 

1997年9月4日
フィリピン、ケソン・シティ
第5回ノーニュークス・アジアフォーラム参加者一同

 

 


COP3に関する特別決議

 

  1997年12月、京都において気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)が開催される。

  しかし日本政府は議長国であるにもかかわらず、この会議を実り多い結果に終わらせるための真摯な努力を怠るという、恥知らずで嫌悪すべき姿をあらわにしている。
  日本政府は、CO2削減のための具体的な計画を何ら示さずにいるばかりか、原発が地球温暖化防止に不可欠であるとの見解を公式に発表した。われわれは、COP3を核エネルギー政策推進の場として利用する日本政府の不当な姿勢に抗議する。
  深刻な環境汚染と人間の健康破壊をもたらす核エネルギーは、地球温暖化の解決策などではありえない。
  我々は、日本政府がCO2を削減するための具体的かつ責任ある政策を確立し、原子力推進政策という愚行を放棄するよう強く要求する。

1997年9月4日
フィリピン、ケソン・シティ
第5回ノーニュークス・アジアフォーラム参加者一同

 

 


第5回NNAF アクション・プラン

 

分科会、全体会などでは、このほかにも多くの提案がなされました。
ここでは、参加国全体に関わると思われるもののみを抜粋しています。

 

 


メーリング・リスト設営の提案

 

 9月3日、行動提案のプログラムで、NNAF専用のメーリング・リスト設営を提案した。メーリング・リストは、パソコン+インターネットを使ったEメールを、一種の会員制にする。専用のサーバマシンとリスト管理ソフトで仲立ちをして、リストに加入した個人または団体が専用アドレスにメールを送ると、自動的に、加入者全員にそれが届く仕組みだ。緊急連絡や共同行動の打ち合わせ、その他に威力を発揮するだろう。

 現実問題として、これからリストに加入する団体を選定したり、規約を設けたりしなければならない。サーバと管理ソフトの決定、費用等は、問題がなさそうだ。

 この提案はフォーラム全体に受け入れられた。実現は3カ月以内という目標だ。

浜本弘也/NNAFJ関西

 


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