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9月1日
持続可能エネルギー国際会議

大庭里美


 フランスのスーパーフェニックスの閉鎖発表、日本の動燃東海村での放射能漏れ、そしてカナダ最大の電力会社、オンタリオ・ハイドロ社が安全性を理由に20基の原発のうち7基を閉鎖するというニュースなど、原子力の黄昏を象徴する出来事が相次ぐの中で、9月1日「アジアのNGOのための持続可能エネルギー国際会議」が行われ、太陽エネルギー、小規模水力発電、風力、バイオガスなど自然エネルギーの可能性を探る提案と討論が活発に行われた。

  日本からは原子力資料情報室の高木仁三郎さんが、斜陽産業である日本の原発の現状について述べた。東大の原子力工学科がなくなったという話は、海外の参加者に非常に印象的だったようだ。
 グリーンピース・インタナショナルのコリン・ミレ氏は、原発はエネルギー問題の解決にはならないことを改めて強調し、またギリシャの小島における太陽光発電の実験をスライドを見せながら紹介した。
 オランダから参加したWISEのピエール・デ・リックは、欧米や南米ではすでに脱原発が進み、アジアでは逆に、欧米と日本などの原発関連企業があまねくアジアを市場としてねらっていると語った。
 また、地球温暖化の問題では、原発と化石燃料の問題に取り組んでいるグループが、原子力と石油の会社はたいてい同一であり、石油か原子力か、どちらを選ぶかという選択の問題ではないと問題提起をした。
 鹿児島大学の橋爪健郎先生は、日本のかつてのリサイクル社会を紹介し、現在の欧米や日本のような誤った発展の仕方ではない再生可能なエネルギーの追求の可能性があると主張。また今年3月と5月の川内原発近くで起こった強い地震についても報告した。

 

[感想]

◆ この日は、パニックに終始した。ペーパーさえ見ていないのに、「同時通訳」をしなければならないなんて!日本人参加者のみなさん、役に立たなくてすみません。翌朝は、悪夢にうなされて目が覚めました。でも、2日目からは沢田さんという神様のような方があらわれて、ほんとにうれしかった!

◆ フィリピンは、女性差別を感じない国だ。でも1日目のスピーカーはほとんど男ばかり。みな優秀な方ばかりだったのは確かだけど、何かおかしくない?日本の事務局長にもあらかじめ言っておいたのだけど、やっぱり日本からの発表者は、「すべて」男性でした。橋本内閣じゃあるまいし、時代錯誤だと思う。

◆ クレア・グリーンスフェルダー(プルトニウム・フリー・フューチャー)に会えるのを楽しみにしていたのに、残念ながらクレアは出発直前の事故のために来ることができなかった。早くよくなってほしいです。

◆ 日本のマスコミのマニラ支局数社に事前に連絡しておいたのに、一社も取材に来なかった。海外支局の人達って、何を取材しているのかな。「憲法改悪」(チャチャ)のこともマニラではじめて聞いたのだ。(9月21日にフィリピン全土で大抗議行動が予定されている。)それにしても、フィリピンの新聞は読んでおもしろい。

◆ 出発直前に、ごとうひとみさんから、最近の歌のテープを送ってもらって、フィリピンの事務局のジュニリンにプレゼントした。レセプションのとき、流してもらった。「すごくきれい!」とジュニリンが喜んでくれた。

 


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