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第30回原産年次大会(4/9−11)
「市民の意見交換会」に参加して

NNAF関東 吉岡志朗


 

  第30回原子力産業会議年次大会が、4月9日から11日まで、東京・有楽町の東京国際フォーラムを会場に開催された。基調テーマに「原子力−今、本音で語るとき」をかかげ、大会準備委員長は田原総一郎氏。2日目の「改めて原子力開発のあり方を問う」で、高木仁三郎さんが、「原子力施設が嫌われるこれだけの理由」と題して基調講演、そして討論が行われた。パネラーには、小木曽美和子さん(原子力発電に反対する福井県民会議事務局長)も。もんじゅ、そして3月の東海村でのアスファルト個化処理施設での事故と、動燃への不信が募る中で、今まで以上の会議公開、市民との対話がプログラムに盛り込まれた。しかし、動燃の「解体」とのかけ声の中で、単に民間に委譲されるだけの事である事は言うまでもない。

  2日目の午後は、「原子力開発の新しい進め方を問う」をテーマに、田原総一郎氏を議長に、各政党の政策責任者が意見交換した。自民党から山崎拓政務調査会長、社民党から伊藤茂幹事長、新進党から野田毅政策審議会長、民主党から仙石由人政策審議会長が出席した(出席予定だった共産党の聴なみ弘政策宣伝委員会責任者は体調不良のため欠席)。しかし、その内容は、先の東海村の事故を「事故でなく故障」と言ったり、「総合的なエネルギー政策を検討したい」など一般的な議論の域を越えなかった。(参照−『原子力産業新聞』97年4月17日付)

  NNAF関東として、何かアクションをと検討したが、日程など合わず、私が、4月10日の「市民の意見交換会」に参加した。少し遅れて着いたので、すでに大ホール(参加者約380名)で、フロアから、プルトニウム、廃棄物のことに関する発言が行なわれていた。もちろん、ほとんどの参加者が、原発関係者で、原発賛成の意見には多くの拍手があった。司会は、田村和子共同通信編集委員。私も、NNAFのメンバーに行って来ると言った手前、何か発言をと思い、勇気を奮って約5分間発言をした。原発輸出(とりわけ、台湾、インドネシア)の現状、問題点を指摘した。すると、元原子力研究所の人が、日本が原発を輸出しなくても、欧米のメーカーが輸出するとか、また、韓国の人が、日本は韓国へも輸出・協力してほしいとの発言があり、再び、反論(約3分)に立った。
  他には、エネルギー教育、新エネルギー、情報公開などについての議論があったが、情報公開に関しては、田原総一郎、下村満子さんらが、情報公開を果たして国民は望んでいるか、マスコミはどれだけの事を伝えているかなど、その内容は、極めてうわべだけの議論だった。終了後、田原総一郎、下村満子、田村和子さんに資料を渡し、又、原産会議の人が、話しかけてきたので資料を渡すと、「買わんサイン」は見たことがあるとの弁だった(少し、有名になった?)。あなたの仕事は減るかもしれないが、代替エネルギーの開発をもっと進めてほしいとお願いした。

 


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