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政党への問い掛け
原発輸出を知っていますか?



 正直いって、政党にはなんの期待もいだかなくなって久しいが、選挙も近そうなことだし、いったいどう考えているのか聞いてみることにしました。
 せっかくだから、インターネット経由で聞いてみました。最近、どの政党もホームページを持っていますから、本来ならばe-mailでの受け答えができてもよさそうですが、おそらくなかなかそうはいかないでしょうけれど。そのあたりの取り組み方も試してみようかと思いました。
 本来ならば、インターネットという安価で双方向の高いメディアをうまく使うことこそ、民衆と政治を繋げるきっかけになるはずなのですが。

質問の内容

 こんにちは。
 私ども、ノーニュークス・アジア・フォーラムでは、「アジアに原発を輸出しないで」を合言葉に、日本の原発輸出の動きを警戒してきました。原発輸出は最悪の公害輸出であり、輸出先の国情によっては、民主主義を踏みにじることにもなると捉えています。
 今回、こうした動きについて、各政党の見解をお伺いしたく、メールを差し上げることにしました。本メールの内容について返答していただける方へ転送していただき、以下の設問についてご回答の上、返信していただきますようお願いいたします。
 なお、返答内容は、私どものホームページで公開させていただく場合があります。また、もしご返答なき場合、その旨を公開することもあります。あらかじめご了承ねがいます。
 インターネットは迅速を旨とする媒体ですよね。遅くとも8月中にはご返答いただきたく思っております。よろしくお願いいたします。

ノーニュークス・アジア・フォーラム ジャパン
 〒544 大阪市生野区桃谷2−1−28−501
      TEL&FAX:06−712−9955
   インターネットメール:toach@mxa.meshnet.or.jp
(本メールについてのお問い合わせは、上記メールアドレスにて問合せ願います。)
          担当:とーち

質問内容−−−−−−−−−−−−−−−−

 インドネシアで原発の国際入札が行われようとしています。これには、日本のメーカーも参加します。また、インドネシアでの立地可能調査は関西電力の子会社のニュージェックが行うなど、日本が深く関与しています。

設問1:
 これらの原発輸出に向かう状況を貴政党は認識されていましたか。
・認識していた。
・認識していなかった。
(上記いずれかを残し、他方を削除してください。)

設問2:
 インドネシアは未だ民主化されていません。
また、私どもの調査では、実際に原発予定地の住民には原発に関する情報がほとんど与えられていません。このような情勢の国へ原発を輸出することについて、どのように考えられますか。
・問題がある。
・問題はない。
(上記いずれかを残し、他方を削除してください。)

設問3:
 上記設問2の事由について、記述してください。


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以上です。ありがとうございました。

上記のメールを8月16日に送信しました。
送った政党とメールアドレスを列挙します。
畑 恵(新進党)kei-request@k-hata.or.jp
新進党のホームページにはなぜかメールアドレスがなかったため、しょうがなく、ホームページを精力的に開いている畑恵さんあてにメールを送り、適切なところへ転送してもらうようお願いした。逆にそのせいか、反応が一番速かった。
社会民主党sdpjmail@omnics.co.jp
新党さきがけkokamoto@gol.com
新党市民リーグcal-mail@omnics.co.jp
自由民主党ldp@po.infosphere.or.jp
自民党は、「自民党」に対してのメールアドレスがなく、「このホームページ」に対するメールアドレスしかない。そういう意味ではこの質問にふさわしいアドレスは明記されてなかったのだが、しょうがないので、書かれていたアドレスに送った。案の定、何の反応もない。
日本共産党jcp@mb.infoweb.or.jp


結果一覧

 9月1日現在の回答状況を示します。まあ、予想されていたこととはいえ、ほんとうになさけない状況です。
 インターネットの取り組みにしても、あれだけハデなホームページを軒並み開いているくせに、電子メールの質問に応える体勢もできていない。ホームページは金をかけて、宣伝をする媒体ではなく、双方向性を生かした「メディア」なのだ。それを生かせていないあり方そのものが、日本の政治の状況を表しているように思えてならない。つまり、「俺達のいうことは聞け、おまえらのいうことなど聞く耳はもたぬ。」ということではないのだろうか。

畑 恵(新進党)8月21日に事務局政策審議会の岩佐氏よりFAXで返答がありました。
社会民主党まず8月21日に社会民主党宣伝部の八木氏より電子メールで担当者が回答を制作中である旨連絡がありました。その後、8月29日に政策審議会事務局の仙波氏よりFAXで返答がありました。
新党さきがけまったく音沙汰なし
新党市民リーグまったく音沙汰なし
自由民主党まったく音沙汰なし
日本共産党まったく音沙汰なし


各政党の返答 新進党

設問1認識していなかった。
設問2どちらとも応えにくい
設問3党としては個別の原発の輸出について詳細にフォローアップしているわけではない。このケースについても必ずしも詳細を把握しているわけではないので、一言で問題があるとかないとか選択するのは難しい。


各政党の返答 社会民主党

設問1 認識していた。(社会民主党では、新聞報道や先の通常国会での市民団体の請願署名提出等を受けて通産省等からも状況説明を聴取しましたが、これによればインドネシアの原子力発電所建設に関しては、現在、原子力発電所建設についての立地の適否等を判断するための実行可能性調査が行われており、今後、この調査結果をもとにインドネシア政府が原子力発電所を建設するかどうかについての判断を行うことになると聞いております。)
設問2いずれともいえない
設問3  社会民主党としては、わが国における原子力発電について、将来における化石エネルギーの枯渇や炭酸ガスによる地球温暖化防止等の視点も踏まえ、原子力に代わる新エネルギー技術の開発・実用化までの過渡的エネルギーとして、一定比率でこれを利用することを容認する立場をとっており、その際、「自主・民主・公開」の原子力平和利用三原則の尊守はもちろんのこと、徹底した安全性の追求、立地住民の憩うの尊重等を必須の条件と考えております。また、新エネルギー等の開発についても、一般住宅における太陽光発電や地方自治体における廃棄物発電の普及促進を一早く主張し、この3年間の連立政権のもとで、着実に実現してきています。
 他方、各国における原子力発電所建設に関しては、基本的にはまず当該国の責任において判断されるべき事柄でありますが、一般論として、各国がその責任において原子力発電の導入を決定した場合、わが国としては、その要請に応じて、より安全な原子力発電が行われるよう、高品質の原子力機器の輸出とともに、わが国の優れた運転管理技術等をあわせて移転していくことが、当該国の原子力安全水準を向上させる効果があるものと考えております。
 なお、わが国では、原子力資機材については、外国為替及び外国貿易管理法に基づき、核不拡散の視点から輸出管理を厳格に行っています。具体的には、核不拡散条約及び原子力供給国会合が定めた機器輸出に関するロンドンガイドラインに基づき、原則として1.平和利用・非核爆発利用目的であること、2.IAEAによる保証措置を受け入れること、3.核物質防護措置が採られていること、4.第三国に対する移転を制限すること、について相手国から保証が得られるもののみについて、輸出の許可を行うこととなっています。


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